最新知見 花粉症への効果KNOWLEDGE

最新研究報告・
酢酸菌の花粉症への効果

POINT

最新研究で判明!
「酢酸菌が花粉症に効果的」

花粉症(アレルギー)の予防・改善には、発酵食品を食べることで多様な菌を体内に取り込むことが良いといわれ、乳酸菌や納豆菌などの摂取が勧められています。それらの菌に加えて、これまではあまり知られていなかった酢酸菌の摂取が効果的であることが、最新の研究で明らかになりました。

花粉症(アレルギー)予防につながるとされる菌花粉症(アレルギー)予防につながるとされる菌

ヒト試験「ホコリやハウスダストによる鼻の不快感への効果」

ホコリやハウスダストによる鼻の不快感について、酢酸菌を毎日摂取する臨床試験が行われました。その結果、摂取4週間後にはホコリやハウスダストによる鼻の不快感が改善されました。

鼻の不快感への酢酸菌の効果鼻の不快感への酢酸菌の効果
  • <試験概要>
  • 目的:健常者の鼻の不快感への効果確認
  • 試験食品:プラセボ(消化性デキストリン)、酢酸菌GK-1(400億個/日)
  • 被験解析対象者:鼻の不快感を持つ日本人男女66名
  • 方法:被験者を2群に分けて、プラセボと酢酸菌GK-1(400億個/日)を8週間摂取、 鼻の不快感をスコア化し評価
  • 試験デザイン:8週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
  • 自覚症状の評価:QOL評価票による眼や鼻の不快感スコア

出典:吉岡ら, 酢酸菌(Gluconacetobacter hansenii GK-1)は健常者の鼻の不快感を軽減する-無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-, 2019を一部改編

ヒト試験「花粉飛散期における鼻づまりの不快感への効果」

花粉症による鼻づまりの不快感について、酢酸菌を毎日摂取する臨床試験が行われました。
その結果、摂取4週間後には花粉症による鼻づまりの症状が改善されました。

鼻づまりの不快感への酢酸菌の効果鼻づまりの不快感への酢酸菌の効果
  • <試験概要>
  • 目的:花粉飛散期における健常者の眼と鼻の不快感への効果確認
  • 試験食品:プラセボ(消化性デキストリン)、酢酸菌GK-1(30mg/日)
  • 被験解析対象者:2~4月に花粉症状(眼や鼻の不快感)を持つ日本人男女73名
  • 方法:被験者を2群に分けプラセボと酢酸菌GK-1を8週間摂取  鼻づまりの不快感をスコア化し評価
  • 試験デザイン:8週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
  • 自覚症状の評価:QOL評価票による眼や鼻の不快感スコア
  • 試験期間:2月初旬から3月末

出典:上條ら, 酢酸菌 (Gluconacetobacter hansenii GK-1) はスギ花粉による鼻の不快感を軽減する-無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-, 2019を一部改編

酢酸菌は、乳酸菌・納豆菌では押せない免疫スイッチが押せる!酢酸菌は、乳酸菌・納豆菌では押せない免疫スイッチが押せる!

酢酸菌は、免疫細胞に備わっている免疫を活性化させるスイッチである「TLR2」と「TLR4」の両方を押せることがわかっています。特に、酢酸菌が「TLR4」を押せる希少な発酵食品の菌であることが研究者の注目を集めています。「TLR4」は、免疫力を上げるといわれる乳酸菌や納豆菌でも押すことはできません。また、菌との接触が少ない清潔な生活環境に生きる私たちは「TLR4」を押せる菌と接触する機会がなかなかありません。

今回の研究結果から、酢酸菌が「TLR2(乳酸菌や納豆菌などが押す免疫スイッチ)」と「TLR4」の2つのスイッチを押すことで、免疫バランスを整え、免疫の誤作動や過剰反応を抑制し、花粉症などのアレルギー症状を抑えるということが明らかになりました。このことから、酢酸菌を取り入れることで、アレルギーに強い体質作りが可能と考えられます。

酢酸菌が免疫バランスを調整する仕組み酢酸菌が免疫バランスを調整する仕組み

※免疫を活性化するスイッチTLRは、現在1-11まで発見されており、各TLRによって、感知する成分が異なる。