お酢をつくるときに必要不可欠な存在で、アルコールからお酢の成分である酢酸をつくる菌の総称です。酢酸菌は、お酢をつくる過程で、お酢の表面に膜を張ったようにして存在しています。
世界最古の調味料といわれるお酢は、アルコールを発酵させることでつくられます。その工程に欠かせないのが酢酸菌です。アルコールには殺菌作用があって、たいていの菌は生存できません。そのため、腐ることも、発酵することもほぼありません。しかし、酢酸菌はアルコールの中で生きて、殺菌成分であるアルコールを食べてしまい、お酢に変えることができるのです。
酢酸菌によって生成される酢酸に、血流改善や内臓脂肪減少などの健康効果があることはよく知られていますが、最近の研究で酢酸菌そのものにもアレルギーの予防・改善など体への素晴らしい作用があることが明らかになってきています。
※一般的な穀物酢の場合
お酢をつくる際に欠かすことのできない酢酸菌ですが、スーパーの棚に並んでいる一般的なお酢の多くには、実は酢酸菌がほとんど入っていません。というのも、酢酸菌を含んだままだと、お酢がにごってみえたり、酢酸菌が沈殿し「異物」が入っているという誤解を招きかねないため、商品化の際にろ過され、捨てられてしまっているのです。実際には、酢酸菌を食べることは問題ありません。