酢酸菌とは?WHAT IS
SAKUSAN-KIN

知っておきたい、
お酢のきほん

POINT

地域の食文化に根差し、種類も豊富

ぶどうからワイン、お米から日本酒という具合に、その土地の食材からつくられるのがお酒です。そして、お酒が酢酸菌によって発酵するとお酢になります。つまりお酢はお酒同様、地域の食文化に深く根差したものなのです。

お酢の分類お酢の分類

世界中の地域がそれぞれに持っている食文化と、密接に関係しているお酢。例えばフランスなどワインがよく飲まれている国々ではワインビネガー(ぶどう)、フィリピンでは、パイナップルやココナッツのお酢がつくられています。

世界のお酢世界のお酢

紀元前5000年に発祥!生薬としても重用

人類の歴史と共に歩んできたお酢

お酒を保存しておくと自然に酸味が出てお酢になることは昔から知られていました。紀元前5000年ころの古代バビロニア時代では、干しぶどうやナツメヤシを利用してお酢をつくっていたという記録が残っています。そして、お酢が健康に良いということも、早くから知られていました。ギリシアの医学者ヒポクラテスは「病み上がりにはお酢を飲むのが良い」と説き、中国の唐王朝時代に書かれた『本草拾遺』には、お酢を飲むことで体に溜まった物の“めぐり”を良くすると書かれています。

古文書に残るお酢の健康効果古文書に残るお酢の健康効果

お酢を活かす和食の知恵

日本に中国からお酢の製造法が伝わったのは奈良時代です。壺で保存したお酒を自然発酵させるという手がかかるもので、貴族に重用される希少な調味料として利用されていました。時を経て、お酒の入ったタンク内に空気を送りこみながらかき混ぜて発酵を早める大量生産製法が確立したことで、お酢は庶民にとって身近な調味料となりました。

現代も、お酢は多岐にわたる健康効果を発揮

調味料としての価値だけでなく、「健康のためにも良い」と紀元前からいわれてきたお酢。各方面での研究が進んだ今、その科学的根拠も明らかになってきています。

  • お酢の健康効果

  • ・腸内環境改善
    • 酢酸の静菌作用や殺菌作用で悪玉菌が減少。脂肪や糖質の吸収率を下げたり、全身の代謝を活発にする「短鎖脂肪酸」をつくり出す腸内細菌を増やす。*バクロイデス門(日和見菌)
  • ・便秘改善/大腸がん予防
    • 酢酸が大腸の蠕動運動を促進。腸に大便が長く留まらないので、有害物質の発生がなくなって、がん細胞の増殖を防ぐ。
  • ・血流改善/動脈硬化予防
    • 酢酸が血管を広げて血流を良くすることで、動脈硬化を予防する。
  • ・血糖値上昇の抑制
    • 酢酸が、食べたご飯やパンなどがブドウ糖に変化するのを抑えることで、急激な血糖値上昇を抑制する。
  • ・内臓脂肪減少
    • 酢酸が、余分なブドウ糖の脂肪への変化を減らすことなどから、内臓脂肪を減少させる。
  • ・コレステロールの低下
    • 酢酸が、血中コレステロールを低下させる。
  • ・カルシウムの吸収効率の向上
    • 酢酸が、腸でのカルシウム吸収効率を高める。
  • ・塩分の過剰摂取抑制
    • 酸味が味覚を活性化して、塩味をしっかり感じさせる。