2024.12.24酢酸菌コラム

にごり酢の魅力は”味の数”。食材の持ち味を生かしてくれるまとめ役。

食材にこだわりイタリアンや寿司店を手掛ける奥田シェフ。料理のプロが認める「にごり酢の魅力」について伺いました。

奥田政行さん

料理人

山形県庄内地域の食材にこだわるイタリアン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ。東京・銀座の「ヤマガタサンダンデロ」やオイルと塩を用いる寿司店「米菜゜sakura織音寿司も手掛け、料理の可能性を追求している。2016年にはイタリア・ミラノで開催された世界野菜料理コンテスト「THE VEGETARIAN CHANCE」に初参加し、3位に輝くなど海外からの評価も高い。

奥田シェフが感じる「にごり酢の魅力」とはなんですか?

ほかの酢と比べて“味の数“が多いのがにごり酢。そこが一番の特徴です。味の数とは「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」といった味覚のこと。そして甘味や酸味の中にもグラデーションがあり、にごり酢の種類によってそのバランスが変わるところも面白い。にごり酢ならではの魅力ですね。

味の数が多く、種類によってそのバランスが変わる調味料なのですね。お店ではどのように使われていますか。

味の数が多い調味料は、味の数が多い食材に合うんです。例えば、鯛の刺身。甘味や酸味の他、グルタミン酸やイノシン酸などアミノ酸のバランスがよく旨味が強い。そこににごり酢のシャリと、香り・甘味の余韻が残るシチリア酸エクストラバージンオリーブオイルを組み合わせれば、オイル寿司「鯛のタルタル」が完成。様々な味が一体になると同時に鯛のおいしさが引き立ちます。そのおいしさを”コク”と表現するとわかりやすいかもしれませんね。

手前はにごりリンゴ酢のシャリを用いた「コハダ」。奥がにごり黒酢のシャリを用いた「鯛のタルタル」。世界初のオイル寿司を味わえる「米菜゜sakura織音寿司」では、ネタ(食材)に合わせてオイルと塩、酢飯をセレクトして提供する。