2024.11.18酢酸菌コラム

お酢巡りの旅で知った、にごり酢の多様な味わい

幼少期からのお酢好きが高じ、酢を365日味わう暮らしを実践する料理家の岩間さん。日本にある約170カ所の醸造所をめぐる旅で知ったにごり酢の魅力を伺いました。

岩間明子さん

ビネガー・発酵料理研究家

料理講師として世界の家庭料理を紹介する中で、酸味を活かしたレシピに興味を持ち、お酢の世界に魅了される。発酵食品ソムリエの資格を取得し、現在はビネガー・発酵料理研究家として活動中。お酢とお酢料理の研究をしながら、「発酵で毎日の料理がちょっと楽に、そして元気に美しく」をテーマとした料理教室やお酢の試飲会などのイベント、日本各地のお酢屋さんを巡る「全国お酢旅」を続けている。

「酢ラバー」としてお酢のおいしさや健康効果を発信されていますが、にごり酢ならではの魅力とは?

毎年100本以上のお酢に出会っていますが、その中でもにごり酢は、味わい深さと、バリエーションの豊富さに注目しています。お酢の世界を極めるため「全国お酢旅」をしていて、にごり酢の醸造所も10カ所程訪問しました。驚いたのは、原料や製法の違いにより、味が全く異なること。例えば、リンゴのにごり酢でも、ある醸造所では、リンゴジュースを原料にし、別の醸造所では、リンゴを丸ごと粉砕したものを原料にします。それによりすっきりした味になったり深みが増したりといった個性が生まれるんですね。他にも橙(だいだい)の皮を使ったにごり酢も、独特の苦みが感じられて美味しいですよ。

にごり酢は原料や製法よって味に違いがあるのですね。おすすめの使い方はありますか?

にごり酢を試してみるなら、「酢コショウ餃子」がわかりやすいと思います。酸味だけではない、にごり酢ならではの旨味が餃子にぴったりです。

天然リンゴ100%の樽熟リンゴ酢で有名なカネショウ株式会社で、樽熟成の様子を見学している岩間さん。「完熟津軽リンゴ」を皮や芯含めて丸ごとすりおろして発酵させる「すりおろし醸造」は、全国でもとても珍しい醸造方法だという