毎年春先になると鼻がムズムズする、また汗ばむ季節になると関節のあちこちがかゆくなる…。こういった花粉症やアトピー性皮膚炎に代表されるアレルギーに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。こうしたアレルギー疾患で医療機関を受診する患者は増加の一途をたどっています。
東京都が花粉症の有病率を10年おきに調査した資料によると、この30年間、ほぼ全ての年齢区分で有病率が一貫して上昇。特に0歳から14歳の若年層は、第1回調査の2.4%から40.3%へと大幅に増加しました。また、アトピー性皮膚炎についても小学校1-3年生で11.8%、小学校6年生・中学校1年生では10.8%が発症しており、10人に1人以上の割合で悩んでいることが明らかになっています。こうしたアレルギーはもはや誰もがかかってしまう可能性のある疾患であり、まさに“国民病”と言っても過言ではありません。
出典:東京都福祉保健局「平成28年度版 花粉症患者実態報告書」の調査データを元に作成
花粉症の時期は、インフルエンザが流行する時期と重なっています。喉の繊毛は外から入る異物を出す喉の免疫ですが、インフルエンザや風邪で、喉にダメージが起こると、異物を排出する機能が落ちて花粉も入りやすくなると考えられます。そのため、花粉症の症状が重くなる可能性があるのです。
また花粉が、皮膚の露出している部分に付着し炎症を起こす「花粉症皮膚炎」があります。新たな症状というわけではありませんが、最近よく耳にするようになりました。その症状は、かゆみや湿疹、赤く腫れたりといったものから、ヒリヒリ痛んだり、ひどい時には膿が出るようなこともあります。皮膚の防御機能が低下している人や、アトピーの人、肌が乾燥している人はかかりやすいので要注意です。