お酢づくりに欠かせない酢酸菌。食材だけでなく花や果実など、自然界にも存在しています。
キノコのように見える菌で、紅茶などのカフェイン飲料を発酵させた「紅茶キノコ」。1975年に日本で流行したこの発酵飲料が、「コンブチャ」と名前を変えてブームになっています。アメリカ西海岸などのローフードマニアやヨガ愛好家から始まった人気にハリウッドセレブが火をつけて、いまや健康美人を目指す女性たちの御用達ドリンクです。
世界にはバルサミコ酢、黒酢、 香酢など、日々の食生活に取り込まれ地域の健康を支えるお酢があります。昔ながらの製法で、発酵・熟成に時間をかけていたり、ろ過が粗いため、これらの健康酢は酢酸菌を含んでいます。
またお酢の中には、「にごり酢」という種類が存在していることをご存知でしょうか。その名の通り、見た目がにごっているのですが、このにごりは、お酒がお酢になるために不可欠な酢酸菌によるものです。
実は古くから使われてきたお酢は「にごり酢」の方で、今一般的に生産されている透明なお酢は、酢酸菌をろ過したものです。酢酸菌が沈殿したり、酢酸菌によってにごっているものよりも、透明な見た目が好まれたことから、近年はろ過したお酢が主流になっています。